終了:「元型ドローンVol.16」 

舟沢虫雄  (Mushio FUNAZWA)
電子持続音ライブ「元型ドローンVol.16」は、終了しました。
ご来場の皆様、ありがとうございました。

ポストトークにて、
普段ドローンをお聴きにならない(らしい)お客様から、
「これはどこで聴く音楽なのですか」
というご質問を受け、
「これはここで聴く音楽です」とお答えしたら、
笑ってくださったのが印象的でありました。
会場の新鮮な気配のおかげで、
いい会にすることができました。
またのお越しをお待ちしております。

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また、私事にて大変恐縮ですが、
じつは数日前、ホームページを作成しているPCが壊れてしまい、
現在修理に出しているところです。
そのため、公式サイトの更新が滞ることとなります。
あらかじめご了承ください。

最近はスマホでもある程度画像加工が出来るのですね↓
livevol16_20181028.jpg
追記/補足を読む

リハ(というか) 

リハというか、練習というか、構成というか、
生成、あるいは生成準備というか。
具体的な回路は、本番の1ヶ月ぐらい前から黙々と考えます。

本番終了後には、簡単なドリンク付きで、
ポストトーク(っぽい談話)がありますが、
演奏が終わってすぐスッとお帰りになってもOKです。
注意点は「スマホ等音の出るものの電源をお切り下さい」だけ。
全席自由。
初めての方もどうぞ。10/28です。

リハ風景
追記/補足を読む

スマホを切るのが難しい 

折りたたみ式のケータイの頃は、
「マナーモード」というボタンがあって、
それを「長押し」すれば、音は出なくなった。
スマートフォンは違う。
「サイレントモード」にしても、音が出ることが多い。

どういう時にどういう音が出るのか、
条件はかなり複雑だ。
iTunesやYoutubeは、2018現在、iOS12.0で、
スマホをサイレントモードにしても、スピーカーから音が出る。
以前使っていたピアノアプリは、
音楽をイヤホンで聴いている最中に立ち上げると、
音楽がイヤホンから出ている状態であっても、
スピーカーからピアノの音が出た。(今はもうこのアプリを使用していない)
電車の中でイヤホンを付けた状態で、
知らないうちに周囲にピアノの音が出ていたら、
迷惑この上ない。

設定→通知から設定できるものは片っ端から音を消し、
サイレントモードにしていても尚鳴るものというと、
アラームがある。
少し前にスマホをiPnone8に機種変し、設定していた際に、
設定時刻をしくじったようで、
病院の待合室で、カバンの中に入れたスマホから、
大音量のアラームが鳴り出してしまった。
慌てて止めたのだが、
大音量の警告音が聞こえ、それが自分のカバンから出ていると気づき、
スマホを取り出し、アラームだと認識し、鳴り止ませるまでに、
10秒以上かかってしまった。
思い出すだに恥ずかしく、また申し訳ない気持ちになる。

そういうわけで、映画館、演劇の座席など、
絶対に音が出てはいけない状況下では、
スマホをシャットダウンするのが習慣である。
電源ボタンを「長押し」→画面に出るシャットダウンのアイコンをスワイプ。
(たったこれだけだが、ご高齢の方を始め、覚えられない方が多い)

先日、映画館でいつものようにスマホをシャットダウンし、
「ああ、こういう時間についでに充電すればいいのだな」と、
モバイルバッテリーをつないでおく。
映画が終わってスマホを取り出すと、電源が入っている。
何事か、と調べると、この機種、シャットダウン状態でバッテリーをつなぐと、
自動的に電源が入ってしまうことがわかった。
充電しながらシャットダウンしたいのであれば、
バッテリーをつないでからシャットダウンする。
これだけでもけっこう煩雑である。

それでもそういうものかと思って、演劇の座席で、バッテリーをつないでから、
しっかりスマホをシャットダウンする。
スタッフの方が、「いま一度音の出るもののスイッチをお確かめ下さい」と呼びかけ、
再度しっかりとスイッチを押して確かめ、シャットダウンを確認する。
演劇が終わってスマホを取り出すと、電源が入っている。
何事か、と調べると、新しいスマホは、
電源を「長押し」しなくても、電源スイッチをちょっと押すだけで、
起動してしまうことがわかる。
「よし。しっかりシャットダウンした。」と手で押して確認したら、
スマホが起動してしまっていたのだ。
じゃあ触らなければいいのか、というと、
「長押し」じゃなくなってしまったのだから、
カバンの中で何かにぶつかったら、スマホは起動してしまう、ということだ。

以上を総合すると、シャットダウンしても何かのはずみで起動する可能性があり、
その上うっかりアラームを入れていたら鳴り出してしまう、ということになる。
つまり、スマホをシャットダウンしても、音が出ない可能性をゼロにしきれない。

今のところ、映画館や劇場の座席でスマホを鳴らしてしまう失態には
到っていないが、こうなってくると、「絶対の安心」は無理な気がしてくる。
・日頃からサイレントモードにする
・設定画面からサウンドをオフにしていく
・電源さえ入っていればアラームは必ず鳴るので、鳴る時刻を確かめておく
・シャットダウンしたら、あとは触らず、バッテリーにも繋がない
・シャットダウンしたスマホのスイッチが入らないように気を配りつつ収納
これだけやって99.9%。あとは運を天に任せる。

起動を「長押し」に戻してくれと言っても、多分どこにも届かない。
サイレントモードをマナーモードぐらいにまで徹底してくれと言っても、多分どこにも届かない。
電車の中や映画館など、ある程度インフラを整えることが出来そうな場所では、
社内、場内で「緊急地震速報以外のスピーカーからの音を止める信号」を出し、
スマホ側がそれを認識する近距離通信規格を作ればいいんだ、って言ったって、
そんなん絶対どこにも届かない(と思う)。

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安心して何かを聴く空間は、自分で探すか、作り出すしかない。

大音量のコンサートなどでは、もう空間形成をあきらめ、
スマホ撮影をアリにしている場所も増えてきた。
偉大なミュージシャンの方がクラブなどで、
自ら率先してスマホを掲げて撮影・録音を促すところも、
何度か拝見している。

舟沢のライブは小音量。
電源の入ったスマホとの共存は、今のところ考えておりません。
映画館や劇場同様、「音の出るものの電源はお切り下さい」とアナウンスさせていただいております。
昨今は、若い方でもスマホを切ることを「デトックス」と呼んでいたりするので、
スマホを切って耳を澄ませることの価値は、
今後も消えてなくない、と信じることにしております。

そういうわけで、「スマホを切って一旦落ち着きに来ませんか」と、
こうしてインターネットに書いててどうするんだ、という思いも去来するのですが、
10/28のライブ、よろしくお願いします。
追記/補足を読む

チラシ、手すり文章、回路、当日、+バッジ 



チラシと呼ぶのか、フライヤーと呼ぶのか、DMと呼ぶのか。
ライブの告知用に、ハガキサイズの紙を作る。
呼称を考えるのが面倒なので、ここでは「チラシ」とする。

チラシのイメージを考えるのは、
いま発生したばかりの台風の進路を予想するのに、
少し似ている。
いま「次のライブはこんな感じになるだろう」とイメージしても、
そのライブは数ヶ月後である。

出来上がったイメージを目の前に紙で置いて、
ぼちぼちとリハを始めるのだが、
くっきり・かっちりとイメージを固め込んでおくのもライブっぽくない。
だが、イメージを電子回路に組んでおかないと、
こういうものはそもそも音すら出ないので、
当日目がけて回路を組んでいく。

そして、毎回、1週間~数日前には、
今回どのようなことをやるのかを「手すりのような言葉」として書いて、
これも紙にプリントアウトしておく。
当日配るためだ。
(初期には言葉はなかったが、舟沢の坐禅の師匠に書いてみてはどうかと勧められたのは、以前書いた。)


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ここで、数ヶ月前に定着した視覚イメージと、
数日前に定着した言語イメージが出来上がる。
それでも、当日、何が出るのかは、
やってみないとわからない。
聴いてくださっているお客さんの気配でも変わるし、
当日のスピーカーの共鳴周波数でも変わる。

思ってもみない音が出ることだってある。

数日前に出来上がった言語イメージは、
「数日前の台風の進路予想」に、少し似ている。

イメージは数ヶ月前に出現する。
言語は数日前に出現する。
それでも当日は、何がどうなるかわからない。
当日の音との“ずれ”は、完全にはなくならない。

当日の音は、来ていただいて、じっと聴いてくださる方々と共に、
その場で作っているようなものだ。
ライブだし。

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視覚イメージを作り、回路を構成し、言語イメージを作るわけだが、
今回、チラシ用に作った「円相」が、ことのほかよくできた。
(円相は自作し、優秀なデザイナーさんにお渡ししてチラシを作って頂いた)

あらかじめ作るものが増えれば増えるほど、
当日出る音とイメージがずれるリスクが増えるわけだが、
寝入りばなに突然、非常にはっきりとした「バッジイメージ」が沸いたので、
大慌てでデータを作り、インターネットを通じて、作ってしまった。

元型ドローンVol.16 円相バッジ


突発的・かつ明瞭に完成形が思い浮かんだときは、
作るべきかどうか悩むより作った方が良い、と判断した。
「これではちょっと色が濃いか?いや、数年経ったらちょうど良くなるはずだ」、
という、咄嗟の逆算通りの仕上がりである。
(ここでも私は、予想して逆算している。それでも当日、何が起こるかは、わからない。)

売るか。(売るにしては少なく作ったので原価が高い‥)
当日お配りするか。(その場合は開封の音がライブの妨げとなるため、こちらで袋を開け、むき出しの状態でお渡しすることになるでしょう‥)

‥今から考えます。
追記/補足を読む

自作ケーブルひとつかみ廃棄 

ケーブルは自分で作るもの、と思っていた。

非常に大きな代償と引き換えに覚えていった、かけがえのない知識。
この会社のこのケーブルが、最も音質と価格のバランスが良い。
この会社のこのプラグが、最も接触不良が起きにくく、ハンダ付けもしやすい。
このケーブルは、必要な分だけメートル単位で買うと、
ケーブル屋の店主がものすごく嫌そうな顔をする。
100m巻をまとめて買えば、嫌な顔もされず、値段も一気に安くなる。

MTR(マルチ・トラック・レコーダー)のケーブルであれば、
8chのアウトだけでも8本。パッチベイに出すのであれば、16本。
楽器類と使い回すためにはモノラル・フォンプラグが良く、
パッチベイの背面はRCAピンが良い。(接触不良が少なくて済む)
自分の楽器、自分の録音機材の置き場所、パッチベイの置き場所、
それらを測って、100m巻きのケーブルから切り取り、
1本ずつ、ハンダを使って、自作していく。
必要よりも短ければ、もちろん用をなさないし、
長すぎても、作業場の後ろに余分なケーブルのたまり場が出来て、
そこがノイズ発生源となる。

このケーブルも、このプラグも、もう進化しない。
だから、長ささえ適切であれば、
ケーブル作りは、決して無駄にはならない。

そう思っていた。

やがて録音機材がデジタルとなり、
8トラックぐらいが1本の光ケーブルで送信できるようになり、
それからさらにしばらくして、録音も、ミキシングも、
ほとんどコンピューターの内部でやるようになっていった。
機材が1つデジタル化するたびに、
使わない自作ケーブルが、8本、16本と、まとめて手元に残った。

ケーブル作りは、止まった。

何本作ったかは、覚えていない。
覚えていないが、100m巻きを買うようになってから、
それを2巻買って、2巻目の残りが少し残っている。
だから、100m巻以前のものを加えれば、
長さとしては200m前後、ということか。
1本のケーブルは20cmぐらいのものも、5mぐらいのものもあるので、
一概に何本作ったかは割り出せない。

新たに必要となり始めたケーブルは、
オプティカルとか、USBとか、到底自作する気になれないものだっった。
音質の鍵を握るデジタル用ケーブルは、
自作が必要なほど大量に必要にはならないし、
作るのだってなんだか怖い。
第一、ケーブルの中を通るのが“ファイル”になったら、
音の善し悪しは、ない。
(ある、という人もおられるが、データファイルが同じであれば音も同じ、と私は信じることにしている。同期外れとか、CDのエラーとか、転送中にどこかで勝手にテキストファイルみたいな改行が入っちゃってノイズになるとか、ああいうのはまた別の話。)

そうして、必要なケーブルは無造作に買うようになっていった。

絶対に無駄にならない、という信念で作り続けていたケーブルが、
延々と壁に架かっている。
まあいつか使うかも知れないしな、と架けっぱなしにしていたが、
よくよく記憶を辿ってみれば、
もう使われることもなく、10年以上も壁に架かっているように思う。

そういうわけで、大量にあるケーブルを“ひとつかみ”、廃棄した。



捨ててしまってから、
「あれは音質は確かなのだから売れば良かったんじゃないか」
などという思いもよぎったが、
10年以上ホコリをかぶっていたケーブルをアルコールか何かで拭いて、
「音のいい自作ケーブル」として売るのも、なんだか違うと思い直した。

もうちょっと、
「ケーブルが無駄になってしまった」とか、
「絶対に正しい知識が色あせてしまった」とか、
「これを作っていた苦しい時間を他に使っていれば」とか、
「さあ、これですっきりしたぞ」とか、
何らかの感慨が出てくるか、とも思ったが、
多少は上記のような思いも抱くものの、
それほど深い感慨というわけでもない。

おそらく、深い感慨を抱かずに済むぐらいに充分な時間、
壁に架けっぱなしにしていたからだろう。

大切なものを手放すのには、時間がかかる。
かさぶたと同じ。こういうものは時間をかけて。
追記/補足を読む