夢を見なくなった 

10年ほど前、まず、夢から映像が消えた。

自分が女になって誰かにレイプされている。
自分の悲鳴だけが闇に響いている。

自分が路地裏でチンピラに蹴られている。
頬に当たるアスファルトの感触。
チンピラの「わかったか。」という声で目が覚める。

そのうち、夢から音も消えた。
想念だけの夢。

「俺は一人ぼっちだ。一人ぼっちで死んでいくんだ。」
という感慨が、規則的に波打っているのが分かる。
目を開いた途端、想念は止まる。

そして最近、夢を見なくなった。

―睡眠薬の量ばかりが増えていく。

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