「霊機」の流転 

霊機、というのは、
まるっきりの造語というわけではない。
舟沢はこの言葉を、いわば「スピリチュアル・チャンス」として使っている。

この言葉を知ったのは、書道の世界だったのだが、
書道の世界でも「霊機」を「スピリチュアル・チャンス~霊的機会」という意味合いで使用しているかどうか、私は知らない。
検索をかけると、非常に有名な書道作品「霊機」があるようだが、私が深い印象を抱いた「霊機」とは、どうも違う作品のような気がする。記憶の中の書とも感じが違うし、発表年代から見ても、有名な書道作品よりも、舟沢は数年早く知っていたと思う。

舟沢としては、「霊機」という言葉を、
 「刑務所で男が壁に頭をぶつけて自殺するときに『今だ!』 と叫んだ。」
 「‥美しい。」
(映画「ベルリン・天使の詩」より」
のような、全く内発的なきっかけ、全く生命的なチャンス、古代ギリシャ人が「カイロス」という神の名で呼んだもの、その意味合いにおいて「霊機」という言葉を使用している。

発売当初、かなり多くの知人、とりわけR・シュタイナー関連の人々から、
「これは霊を生み出す機械という意味ですか?」
という質問を受けることが多く、そのたびに、
「これ、ゴースト・マシンじゃなくて、スピリチュアル・チャンスです。」
と答えていた。
ライブのチラシでも、当時「霊的機会」という言葉を使って自分の立場を表明しようとしたりもした。
そして、何度かン百売り切って、いま一度追加で刷る決断をした際、
カセットのラベル(カセット本体に貼り付けるシール)を、新たに追加で井原靖章デザイナーに作っていただいた。その際、
「霊機 - Spiritual Chance」
と副題的に英語表記を印刷することにした。
「ゴースト・マシン」という誤解は、本意ではなかったのだ。

やがてインターネットの時代がはじまり、
myspaceを始めるようになってから、
「霊機」のカタカナ読みの別の何かが存在することを知る。
「霊機」をカタカナで表記すると、その意味になる。
いまここでは、カタカナで書かない。そういう方々が検索で来てしまっては申し訳ないので。

私自身、とあるミュージシャンの方に、その「カタカナ読みの霊機(実際には『霊気』らしい)」を施していただいたことがある。
ゆるめの気功みたいな感じであった。
主にイギリスで興隆している、ヒーリングの一種であるらしい。

が、舟沢としては「カタカナ読みのそれ」と、アルバム「霊機」とに、重要な関係性はないように感じられる。そもそもリリース当時には知らなかったことだし。
なので、元々英語サイトで「霊機」を「Reiki」と表示していたのだが、最近では、もう「Spiritual Chance」をメイン表示にしてある。
そして、海外の人々向けに、「オリジナルタイトルはReikiですが、ヒーリングのアレとは別の意味です」と但し書きをするようになっている。
つまり、海外からは「Reiki」で検索して訪れる方がことのほか多かったのだ。
来ていただいても構わないのだが、買って「だまされた」と思われたら、なんだか申し訳ない。

とまぁ、歴史の中で紆余曲折しながら、
世界で同じデータでそろえるために、全ての曲名をもローマ字表記にして、iTunesで販売する運びとなっている。
iTuensでも、アルバム名は「霊機」ではなく、英語で「Spiritual Chance」になっている。

元々は、カセット+ジャケットに書き込まれた詩も全部含めて「霊機」というアルバムであるので、カセット作品「霊機」の価値は、減るものではない。
まだカセット売れ残ってることだし、売れ残りが悔しいので一連の詩をWeb公開するつもりも、いまのところ、ない。

じゃぁiTunesで不完全なものを売ってるのかというと、そういうわけでもない。シビアに、良心的にリマスターしたし、画像だってデザイナー・井原靖章氏にiTunes専用に作りなおしていただいている。いわゆる「最適化」がなされているのだ。

そういうわけで、やるだけのことはやってある。
この先どういう紆余曲折があるかどうかはしらない。
でも、やるだけの事は、やっている。

Mushio FUNAZAWA - Spiritual Chance

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