才能と企業/或いは集合知に顕現しないもの 

“クリエイティブ”な企業において、しばしば「ブレイン・ストーミング」という手法が取り入れられる。
ブレインストーミングというものには、
才能がある人のイマジネーション/インスピレーションを、
大幅に抑制させる機能がある。
そういうものがなぜ“クリエイティブ”だとして横行するかというと、
企業なりマネジメントなりが、“才能”の存在を、そもそも想定していないからである。

その現場に居合わせればまざまざと思い知らされることだが、
社会を構成する人々の大半は、才能の存在自体に、気付くことができない。
気付くことができないまま、ブレインストーミングを主催し、参加し、
そのプロセスに巻き込まれているほぼ全員が、才能の存在を、知らずにいる。

才能がどのようなものか、明文化することも、できない。
存在に気付くことも、明文化することもできないようなものを、
企業が管理運営することは、できない。

成功している“クリエイティブ”な企業は、多くの場合、
非常に限られた才能ある人々と、
極めて優秀な秀才によって運営されている。
才能ある人は、企業によって、
恐れられていたり、うまく庇護・隔離されていたり、嫌悪されていたりと、様々である。
だが、うまくいっている企業は、概ね、
才能という“わけのわからないもの”と、
うまく折り合いをつけているように見受けられる。
というか、見受けられてきた

最近、企業内における、「才能」の立場が、低くなっている。
理由は色々あるが、
元々「才能」の存在に気付けない人々が、
才能ある人と“なあなあ”で曖昧に共存して来たのが、
市場縮小の問題で“なあなあ”でいられなくなってきたこと、
そもそも「才能」などを想定して企業を管理運営することなど出来ないので、
企業の発展に伴うシステム化のプロセスの中で、
才能のある人を異動させてしまったりすること、
才能を見つけるのにもまた才能が必要なことなどが挙げられる。

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以上のような意味で、
キリスト教(ヨハネ福音書)の、
「光は闇の中で輝いていた。闇はこれに気付かなかった」と、
仏教における、
「拈華微笑」は、
ほとんど同じ状況を言っていると私は思う。

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才能とは何か、ほとんどの人は意識化できないし、
それを明文化することも、計測することもできない。

最も重要な本質は、悟性では捉えられないし、
集合知にも顕現しない。
(悟性や集合知が、才能ある人の材料として供されることはあると思うが、
才能自体は集合知に顕現しない、ということは極めて重要だ。)
もしもそれが、経済に関する才能ではないのなら、
経済の構造を依憑(よりわら)として才能を社会に噴出することは、
本来、非常に難しいことだということになる。

では、才能ある人はどうすればいいのか。
たぶん、それぞれの置かれた状況下で、どうにかするしかない。
(言葉で言うほどかんたんなことではないけれど。)

では、才能のない人はどうすればいいのか。
たぶん、それぞれの置かれた状況下で、どうにかするしかない。
(気付くことができれば、だけど。)

最近目耳にする、才能の自営化は、きっとこれからもどんどん進む。
チームで作ったものだけが貨幣価値を持ち始める時代も、きっとこのまま進む。
となると、この両極化の中で、私たちは一体、どうすればいいのか。
わからない。
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追記。
「そういうお前はそんなんで自分に才能があるとでも思ってんのか」
と言われれば、私としても、ただ沈黙するしかない。
私が全く理解できない芸術に出会ったとき、
それは「だめな作品」なのではなく、
まさに私に「才能に気付く才能」がないのかもしれないわけだ。

才能がなければ才能を見抜けないということを利用して、
架空の才能を売り歩いて生きている人も目耳にする。

何度も言うが、ここでいう意味での才能は、明文化することができない。
それは何かに関する、決定的な何かなのだ。

ここでいう才能とは、
プログラマーになる才能とか、
ボクサーになる才能とかではなく、
もっと、何か、根源的な、名づけられないものを想定している。
いわば、未出現を発現させる能力。
ないものを、あるものに変える能力のこと。

判りにくい文章で、申し訳ない。

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さらに追記すれば、
この文章で扱っている“才能”は、
仏教や最先端科学で“華厳経”や“スーパーシステム”と呼ばれて扱われている内容と、
相容れないものかもしれない。
この件については、この記事では保留としたい。
またいつか気付くことがあったら、また別の角度から考察してみたい。

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