,あるいは.さらには  

この記事のタイトル、
「,あるいは.さらには 」。
声を出して読むと、
「コンマ、あるいはピリオド、さらには半角スペース」
となる。

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世の中を生きていると、
「絶対にわかってもらえるはずのことが絶対にわかってもらえない」
「絶対に簡単にできるはずのことをどうしてもやってもらえない」
ということが起きる。

なぜだろう、とそのつど思う。
そのつど思うが、毎回毎回に、共通性がない。
共通性がないから、法則が見い出せない。
法則が見い出せないから、解決策も改善策も見い出せない。
解決も改善もできないのだが、
絶対にわかってもらわなければならないし、
絶対にやってもらわなければ困る。
なのだが、
「絶対にわかってもらえるはずのことが絶対にわかってもらえない」
「絶対に簡単にできるはずのことをどうしてもやってもらえない」
という状態に陥る。

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現在、ニューアルバム
「for Butoh Vol,2」
を、鋭意、発売及び配信準備中である。

このアルバムのタイトル、
「for Butoh Vol,2」
の以前に、
「for Butoh Vo,1」
というアルバムを発表した。
だから、並びとして、
「for Butoh Vol,2」
というタイトルで発表するつもりでいる。
というか、もうジャケットも全部出来てて、
お店にも渡してあって、国内のお店も販売準備をしてくださっている。
国内において、
「for Butoh Vol,2」
というタイトルは、変えるつもりはないし、
Vol,1の次のアルバムで、ジャケットまでできてたら、
もはやタイトルは変えようがない。

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海外の問屋さんにも、既に卸してある。
その問屋さんから、世界に、データが配信される。
海外でCDが欲しい人は、ほぼその問屋さんから直接クレジットカードなどで購入することになるだろうし、
世界中のショップのデータも、この問屋さんから発信される。

この問屋さんのWebの編集画面で、「ん?」
と思ったのが始まりである。
問屋さんの「アルバムタイトル欄」が、
「For Butoh Vol.2」
になっている。
パッと見わからないと思うが、正しくは、
「for Butoh Vol,2」。
アタマが大文字なのはいい。
文字列は事実上変わらないので、アタマが大文字かどうかは、
アルバムタイトルとはいえ、それほど重要ではないと思っている。
問題は「Vol.2」というところ。
ほんとうは「Vol,2」。
問屋さんのアルバムタイトルには、「,」すなわちコンマが、「.」すなわちピリオドになって登録されているのだ。
曲名などは自力で編集できるようなシステムになっているが、
アルバムタイトルは自力でエディットできないような仕組みになっている。
私は、慣れない英語を使って、問屋さんに、修正してくれという旨メールを出した。
コンマをピリオドに変えることぐらい、1分でできるだろう。
いやしかし、サイト担当者の時間が空いているかどうかわからない。
だが常識的なメールのやり取りであれば、2~3時間で修正することだろう。
いや、相手は時差のある外国だ。24時間くらい待つ忍耐力と余裕がなくてどうする。
そう思って、修正を待つ。
何日経っても変更も返信もない。
さあ、大変だ。
どういう理由で、返信もなければ変更もされないのか、
想像する必要がある。
問屋さんのメールボックスが読まなければならないメールでいっぱいになっているのかもしれないし、
こちらのメールが迷惑メールフォルダに入ってしまっているのかもしれない。
件名だけ読んで、重要そうではないなと思って読まない、ということも考えられる。
そこで、件名に[important]、つまり「重要」という見出しをつけたりして、
ほぼ24時間おきに、「あなた方はまだ修正をしていない。
私はピリオドをコンマに修正して欲しいのだ」というメールを出し続ける。
数日それを繰り返した朝、メールボックスに一通の返信が届いている。
「Vol,2という表記を、いくつかの配信ショップが受け付けなかった。
だから、Vol.2とピリオドに表記していた。
あなたが気に入らないと言うから、
「For Butoh, Vol.2」
と別の場所にピリオド打っといた。こっちのほうがいいだろ。」
といった内容であった。
なに考えてんだ。
すでに同じ問屋から「Vol,1」を発売しているのだから、
「Vol,2」が発売できないのは技術的にもシステム的にもおかしいし、
それを断りなしに勝手に「Vol.2」とピリオド表記にするのもおかしい。
それを修正する要望メールを数日間、数通も無視し続けて、
最終的に、勝手に別の場所にピリオドを追加して、
「こっちのほうがいいだろ」とは何事か。
問屋がアルバムタイトルを変えていいわけがなかろう。
「なに考えてんだ!」
とモニター画面に怒ってみたが、状況は改善しない。

なんらかの理由で「Vol,2」とコンマ表記ができなくなってしまったことは、
可能性としてはありうる。
ピリオド表記の方が、英語として自然だからだ、という可能性もある。
落ち着け。いま私が行いうる最善は何か。
「For Buoth Vol.2」
と、ピリオド表記に戻してもらうことではないか。
これならVo,1との並びの齟齬も目立たないし、
現に問屋としてはこの表記で売る準備をしていたわけで、
これに戻すことに何の問題も生じないはずだ。
すぐにメールを返信する。
「では前の'For Buoth Vol.2'表記に戻してください。
そのほうがあなた方のカタログに既に入っている'For Butoh Vol,1'に、
より近いですから。
いまあなたがつけたコンマを削除して下さい。」(って感じで英語で送信)
すぐにやってくれるだろうな。
少なくともメールを読んでいることは確認できたし。
返信来るかな、あれ、来ないな、忙しいのかな‥
‥また数日間音沙汰がない。
ここでまた色々なことを考える。
相手のメールボックスには、たくさんのメールが届いていて、
優先順位が付けられないのかもしれない。
外国の話だし、「Would you」ではなく、「You have to」と、
「これやらなきゃだめ」って書かなきゃやってくんないかもしれない。
それどころか、「怒ってる人の対処だけをやって、あとは無視」というのも、
外国ならありうることだ。
とキリキリと意識を消耗させながら考え抜き、
できるだけ礼儀を失さないように、
できるだけ簡潔に、
こちらが怒っていることをアピールしつつ、
「私は何度もメールしています。
あなた方がつけたコンマを削除して下さい。」
という意味の英語のメールを、
ほぼ24時間おきに、数日間送信し続けた。
今朝方、送信したメールに対して、2通の返信が届いていた。
末尾の担当者の名前は両方とも違っていて、
それは“勝手にコンマを付け足した”最初の返信者と違う名前であった。
(最低でも、サイト管理者が3名いる会社だということがこれでわかる)
返信内容は、両方ともほぼ同じ。
「あなたの言うとおり修正しましたよ。ファイナライズ(最終承諾)をしてください。」
サイトのエディット画面を見てみる。
「For Buoth, Vol. 2」
変わってない。
それどころか、「Vol.」の右横に、半角スペースが追加されてる。


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いったいなぜこんなことになるのかわからない。
だが、厳然と、
「コンマをピリオドに変える」という作業に対して、
数日要望を繰り返してやっと「コンマを別の場所に勝手に加え」、
それを修正するように数日繰り返し要望して、
「あなたの要望に応えた」と返信をしてきて、
半角スペースが追加されている、という事実が目の前にある。
彼らが普段どのように仕事をしているのか、
私はどのような努力をしたら、彼らがこの些細な仕事をやってくれるのか、
もはや見当もつかない。
コンマを消すのなんて、5秒でできる。
システムがよほど複雑なら、15分くらいかかるかもしれない。
しかし、数日、数週間かけて、わざわざ悪化させていく意味が、
もはや、私には、理解できない。

返信をしてきた二人に対して、
「あなた方は半角スペースを加えたに過ぎない。
あなた方はアルバムタイトルを'For Butoh Vol.2'に戻す必要がある」
という旨のメールを、送信しておいた。
しかし、二人とも「嘘」とも取れるメールをよこしてきた人物だ。
今後どうなるか、わからない。
こういうことがあったら、社会的行動としては
「問屋を換える」ことが最も一般的かと思うが、
もはやそこに世界共通バーコード取得料金などを払ってしまっているし、
CDの現物も送付してしまっているのだ。
もう戻れない。

自動翻訳ソフトを使って調べてみると、
舟沢が前回「Vol,1」を引き継いで名づけた「for Butoh Vol,2」よりも、
問屋さんが勝手に修正した「For Butoh, Vol. 2」のほうが、
ネイティブには自然に読めるようだ。
だから、もしかしたら、このまま、海外販売と世界配信は、
「For Butoh, Vol. 2」
で行くことになるのかもしれない。

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「プロデュース」というのか、「制作」というのか、
ものづくりをやっていると、他人に頼むしか方法がない状況下で、
「絶対にわかってもらえるはずのことが絶対にわかってもらえない」
「絶対に簡単にできるはずのことをどうしてもやってもらえない」
ということに、しばしばぶつかる。
一つ一つが、あまりにも違う体験なので、
場数を踏むと慣れてくるという感じでもないし、
共通点も見い出せない。

じつは、作品作りというものは、
こういった「愚にもつかない些細な大量の作業が全く進まなくて渾身で困窮する」ことの連続である。
これは、じつに耐え難いことだ。
これをスイスイできるようになったら、「敏腕プロデューサー」とか「凄腕ディレクター」といった人々になれるのかもしれない。
残念ながら、私は敏腕プロデューサーや凄腕ディレクターには、なれそうにない。

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そういうわけで、
「For Butoh Vol,2」、あるいは
「For Butoh, Vol.2」、もしくは
「For Butoh, Vol. 2」を、
よろしくお願いします。
4/5を公式発売日にしようとして、
いま鋭意作業中でございます。
以上のような感じで不首尾もいろいろあろうかと存じますが、
何卒ご容赦くださいませ。
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3/23に追記します。
おかげさまで問屋さんが動いて下さり、海外向けには、
「For Butoh Vol.2」
と、ピリオド表記で行けそうです。
配信されるデータも、アルバムタイトルは「For Butoh Vol.2」になる予定です。
ご心配をおかけしました。

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